2011年04月18日

リハビリ Op.84

編成:ピアノ二重奏
使用楽器:2 Pianos

2011.3.11に自宅で東日本大震災を被災しました。
大震災の恐怖。余震の恐怖。津波映像の恐怖。原発制御不能の恐怖。
あの日、いろいろな恐怖が一度にやってきました。
それからしばらくして、まだ全く落ち着いた訳ではないけれど、少しずつ歩きはじめられるかなというとき、自分の中に音楽が全くなくなっていることに気づきました。

演奏や作曲はテクニックだけでなく、心や集中力を使います。
その集中力が「余震?原発?」と制御不能なところを飛び回っているので全く書けないのです。
いつしか「夢中になる」という感覚を取り戻せず、全く訳が分からなくなっている自分に気がつきました。
ま、それでも取り乱さぬよう、平静を装うので人間は不思議ですが。。。

ある日、Finaleを立ち上げて五線の上に適当に音を並べました。
音も考えず、絵を書くようにただ並べました。
8分音符で16個。2小節でした。
この日は「書く」ことがリハビリ。
それでその日は終わり。

後日、気が向いたときにそれを再生して聴き、その歌の続きを考えました。
3日くらいかかって、ようやくそんな気持ちになるときがやってきて、8小節ほどになりました。
その時に、2台ピアノに変更になりました。
そんなこんなを続けて、数日かけて一区切り来るところまで書き進めました。
これらは「繋いでいく」リハビリ。

この時点で、今までなかなか置けなかった音をポンと置いている自分に気が付きます。
自分らしい音の配置で考えれば音は置けるんだけど、それを止めた瞬間に思いもよらぬ音を自分で置いている感じでした。
そこでしばらく完全に筆が止まります。

そして少しずついろんな音楽が聴けるようになり、それまであまり聞いていなかった音楽がすんなりと受け入れられるようになったり、それまで好きだった音楽を改めて見つめ直すことができました。
そしてそんな音楽たちに背中を押されるように、音符を置く楽しみを思い出していきました。

書き上げるまで約1ヶ月というのはわりと早いようにも思えますが、僕を、僕らしさを取り戻すのに1ヶ月以上も要したと考えれば、当時の衝撃がどれほどのものだったのかということが想像されます。
演奏されることを意図したのではなく、ただ僕のリハビリのために作曲した音楽です。



ラベル:2台Piano
posted by ぼぶ at 00:00| Comment(0) | デモ音源 | 更新情報をチェックする
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