2012年04月27日

Chaos Game Op.108

編成:打楽器五重奏
使用楽器:Marimba(4oct.)、BassMarimba、Vibraphone、Tri.、Conga、Cajon(C.Cym)

この曲は2012年に作曲した打楽器五重奏である。作曲に際して“DCPRG”の音楽に非常に強い影響を受けたことをここに告白する。
終始一定のテンポで演奏されるリズミカルな楽曲ゆえにダンサブルである一方、ポリリズムによって他の拍子感にも感じられる。そんな音楽を目指した。聴き手は、複数の拍子感が混在しているような感覚に出会うことになるだろう。

曲名の「Chaos Game」は、多角形とその内部のランダムな点を使ってフラクタルを作る方法のことであり、その描き出されるフラクタル図形をこの曲ではポリリズムによって感じられる拍子感として音楽を描き出すことに挑戦している。
かなりマニアックな内容・考えによって構成されている楽曲であることは十二分に理解しているつもりだが、リズムを微分して得られるグルーヴの快感とミニマル・ミュージックに似た中毒性が混在するこのシステムに、さらに絶妙なバランス感覚で演奏され、織り成されるだろう音楽に潜む混沌が、僕の心を掴んで離さない。

もう書かずには居れなかったのだ。
2012年6月

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※初演:未定
譜面販売:bluemallet


ラベル:Percussion Ensemble
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2011年10月04日

Next Divergence -1%の壁を越えて- Op.98

編成:打楽器四重奏
使用楽器:Marimba(4+1/3oct.)

この曲は2011年10月に作曲した4+1/3octマリンバを4人で演奏する楽曲である。

同年12月に開催された「ボブ・フェス-渡邉達弘マリンバ作品集-」にて初演された。演奏者は最初、4人並んでマリンバの前に立ち普通に演奏を始めるが、Player1&4 がやがて楽器の脇(側板位置)から演奏するよう指示され、やがて楽器の裏(黒鍵側)からの演奏へと位置を変えていく。最終的には、Player2&3も裏側に回り、全員がお客さんに背を向けて終曲に至る。演奏は暗譜で行うのが望ましく、また音数が多いので演奏環境にもよるが硬めのマレットでアップテンポで演奏されるのがよいだろうと想像される。

曲名は、とあるフィクションを見て受けた衝撃的な感動から名づけた。タイムスリップものの作品で、その作品中で世界は“世界線”と呼ばれる時間軸上を進んでいる。しかし、タイムリープして過去改変を行うと、世界線は他の世界線へと移動し未来が変わる。もとの世界線と新たな世界線の移動距離・差異に相当するのが「ダイバージェンス数値」であり、その数値が1%を越えると世界は全く異なる結末を迎える、という仕様となっている。
4人の奏者が、マリンバの前から裏側へ無事1%の壁を越えて世界線移動を成功することを祈るばかりである。エル・プサイ・コングルゥ。
2012年3月

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デモ音源
演奏音源

初演:2011年12月10日(於:すろーばーる葡萄酒)
演奏:大澤千紘,高橋若菜,正木恵子,渡邉達弘
譜面販売:bluemallet JPC
ラベル:Percussion Ensemble
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2011年08月20日

カベトリオ -手と壁のための音楽- Op.97

編成:壁 三重奏
使用楽器:大きな壁 手

この曲は2011年8月に作曲した三重奏である。同年9月に開催された WINDS CAFE 177「小さな音の小さな音楽会 -渡邉達弘・小物楽器作品集-」に於いて服部恵・正木恵子・渡邉達弘によって初演された。会場“TORIA GALLERY”に初めて訪れた際、ギャラリーとしては当然のことなのかも知れないが、その壁の白さに魅了された。そしてこの壁を使って音楽をしたいと思っていて、自分の演奏家を開催する機会に恵まれて今回作曲したのがこの曲である。演奏者は壁に楽譜を張り付け、お客さんに背を向ける形で演奏する。記譜の解説はスコアの最終ページに、演奏指示は楽譜に記載されているが、分からない場合は YouTube に初演時の演奏動画があるのでそちらを参考にしていただきたい。鍵盤ハーモニカのモスキートーンは、最高音の鍵盤を本当に少しだけ押して強く息を吹き込むと得られる超音波のような音である。お菓子を勧めたり蚊を叩くシーンは、4小節で 記譜されているが時間的にはその場で必要と思われる時間を要して構わない。
 先日、初演動画のリンクサイトに「ついに打楽器を持たなくなった。壁三重奏」とコメントをして下さった方がいてほくそ笑んでしまった。音楽に楽器は必要だけれど、必ずしもそれがないと成り立たない訳ではない。それよりも、なんでも音にして楽しむ・面白がることが音楽の根源の一つだと思うし、それを探求できることが打楽器奏者の特権だとも思っている。




初演:2011年09月25日(於:WINDS CAFE「小さな音の小さな音楽会」)
演奏:服部恵+正木恵子+渡邉達弘
譜面販売:bluemallet
ラベル:Percussion Ensemble
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2011年08月17日

すず むし -糸のついた二つの鈴のための- Op.96

編成:鈴 二重奏
使用楽器:音程の異なる鈴(2つ)

 この曲は2011年8月に作曲した曲である。音高の異なる2つの教育用に用いられる鈴を使用し、楽器に糸をつけてヨーヨーのようにぶら提げられるようにしておくこと。また、奏者はポケットなどにハサミを用意して演奏に臨むことを求める。
 楽曲は「す・ず・む・し」の4つの音から2つの音を選ぶことで作られる言葉を、鈴を演奏することで表現する(例:「むし」「すし」)という単純なアイデアで構成されている。序盤の「むし」では、鈴で虫を模倣するように演奏するが、2 回目の「むし」では鈴自体を虫と見立てて、茂みの中をカサカサ動くように奏する。最後の「むし」は実際には音が出なくても構わないと思っている。音よりも飼っている鈴虫が鳴くのをじっと待つような雰囲気を演奏して欲しい。最後の「しす」は声を合わせ、線香花火がぽとりと落ちるようにハサミで糸を切って事切れる様を表現する。切れた瞬間や鈴が地面に落ちたときの音が、「すず むし」の断末魔の声となる。
 雰囲気が大切な曲となるが、特に D の「むし」から E の「すし」への移り変わりで発せられる「へい!らしゃい!」という声は威勢よいものであって欲しい。そうすることで生まれるギャップが大きければ大きいほど、終曲の“死”の表現がより神秘的なものになると考えている。全体的にアホな楽曲だが、だからこそそれぞれのシーンのイメージを持って演奏を楽しんで欲しいと思う。




初演:2011年09月25日(於:WINDS CAFE「小さな音の小さな音楽会」)
演奏:正木恵子+渡邉達弘
譜面販売:bluemallet
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2011年08月13日

エニルオ医学試験 -逆行のTambourine- Op.95

編成:タンバリンニ重奏
使用楽器:2 Tamborins

 この曲は 2011 年 8 月に作曲したタンバリン二重奏である。
同年 9 月に開催された「もんてん小学校楽器大行進」にて服部恵・渡邉達弘により初演され、さらに 9 月 25 日の WINDS CAFE 177「小さな音の小さな音楽会-渡邉達弘・小物楽器作品集-」で再演された。
奏者はそれぞれに 1 つのタンバリンを使用して演奏する。記譜や演奏法については 譜面に詳細に書かれているほか、YouTube で演奏動画を見ることもできる。
曲は断片的なテーマを逆行、反行、さらに楽器自体の反転など、「ひっくり返る」ことがテーマになっている。楽譜的にも線対称や点対称の音符を見つけることができると思う。
タイトルもその構造を利用し、“TAMBOURINE”というアルファベットを後ろからローマ字読みして「エニルオ」とし、残りの変換困難な”BMAT”は”The BioMedical Admissions Test”という意味があることを突き止め、その日本語訳である「医学試験」としたものである。
 コインなどであれば“裏の裏は表“となるであろうが、一般的にはやっぱり裏の裏は“ウラウラ”だと思う。タンバリンの裏の裏を裏返していくと、その音色の多さに驚かされる。裏は裏に甘んじず、表舞台に立つべきだ。





初演:2011年09月11日(於:門仲天井ホール)
演奏:服部恵+渡邉達弘
譜面販売:bluemallet
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